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内向的な人による、内向的な人のための、内省ブログ

僕が半年間、派遣バイトを続けて学んだ3つのこと

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去年の12月から派遣バイトをしています。

派遣会社に登録をして、いろんな単発・短期のお仕事を紹介してもらい、都合が良ければ仕事をいただくという形のバイトです。

 自分の都合が良い日を選んで働くことができて、申請すれば遅くとも1週間以内には給料がもらえるというのが便利な点。僕はこのバイト一本で半年間、過ごしてきました。基本的に大学がない日を選んで、週1~2ぐらいのペースで続けてきました。とは言っても、半年間このペースを崩さず続けたわけではなく、ほんとうにやりたいときにやるっていう感じでやってきたので、収入は月によってまちまちです。

 

そんな感じで半年間続けてきたこの派遣バイトですが、これまでに15箇所の派遣先でお世話になりました。中には複数回お世話になったところもあり、これまでに合計で30回ほどお仕事をさせていただきました。仕事内容はほとんどが倉庫内軽作業や工場などの単純なものでしたが、半年続けてみてたくさんのことを学んだので、ここでまとめておこうと思います。

 

 

1.社会の底辺なんかじゃない

よく倉庫内軽作業とか工場とかのバイトは社会の落ちこぼれが集まっていると思われて、「あそこは社会の底辺」なんて言われたりする。でも半年続けて思ったけど、全然そんなことはない。作業自体はとても単純で、覚えさえすればほんとに誰でもできる。そういう意味で価値のない仕事だとか、何にもできない人ができる唯一の仕事みたいに思われるのかもしれない。よくイメージされるのは、同じ作業を丸一日ただひらすら死んだ魚のような目をしながら繰り返しているところだろう。たしかにそういう気が遠くなるような作業をするバイトもあった。でも、死んだ魚のような目をして働いている人はほとんどいなかったと思う。社員さんも、同じ派遣バイトの人もそれなりに自分がやるべき作業に責任を持ってやっていた。こういう仕事はとにかく数をこなさくてはならないことが多くて、同じことを何回も繰り返したりする。それをいかに効率よくこなすか、よく考えて工夫してやっている姿を見て、これも立派な仕事のひとつなんだと思えた。だから、誰にでもできる単純な作業かもしれないけど、全然社会の底辺なんかじゃなくて、世の中の大切な仕事のひとつなんだと思う。

 

 

2.思っているほど悪い大人ばかりじゃない

僕はこのバイトをする以前、まともに働いたことがなかった。なぜなら社会が怖かったからだ。周りの友人たちはとっくに飲食店やコンビニなどでアルバイトを始め、社会の一部に飛び込んでいた。だけど僕は、大人たちが牛耳る社会が恐ろしくてなかなか踏み出せずにいた。さすがに自分でお金を稼がないとやっていけない状況になって、なんとかこのバイトを始めた。はじめはやっぱり不安と恐怖でいっぱいだった。ミスをすれば罵声を浴びせられるんだろうか?派遣は不当な扱いを受けるんだろうか?あまりに仕事ができず途中で帰らされるんじゃないだろうか?とても不安だった。だが、これらの不安が今のところ実現したことは一度もない。小さいミスは何度もしたことあるけど、怒鳴られたことなんか一回もないし、あきらかにひどい扱いを受けたこともない。もちろん毎回、予定通りの就業時間まで働かせてもらっている。人手の大部分を派遣でまかなっている派遣先も少なくなく、最低限の待遇が保障されていることが多い。僕がビビりすぎてもっと最悪の事態を想定していただけかもしれないけど、働く環境に対して不便があったことはほとんどない。僕はもっと働く大人たちは怖いものだと思っていた。最近よく問題になっているブラック企業のニュースの影響かもしれない。不当な扱いをされたり、怒鳴り散らされたりするものだと思っていた。でもそれはどうやら誤解だったようで、すべての職場がそうではないということを知ることができた。

※なかには、派遣をただの人手だと思っているようなところもあったのは事実。それでも、直接僕が何か被害を受けることはなく、ただただ職場の雰囲気が悪かっただけだった。

 

3.社会はほんとに多くの人が関わりあって成り立っている

僕がやっている倉庫内作業は、物が工場で作られてから家庭に届くまでのちょうど中間の部分にあたるのだと思う。工場で商品が作られ、それがいったん倉庫に届けられる。そこで、値札が付けられたりきれいに梱包されたり、配達先別に仕分けされたりする。(作業内容は倉庫によってさまざまなんだけどだいたいそんな感じ)それらの作業を終えると、各家庭や店舗に届けられる。実際にこういう過程があると説明されたわけじゃないから、あくまで僕の推定。でもたぶんこんな感じでいろんな商品が家庭に届いてるんだと思う。それを考えると、ひとつの商品が家庭に届くまでにはほんとにいろんな人や会社が関わっているんだなあと思う。工場で商品を作る人たちから、僕のように倉庫で仕分けや梱包作業をする人、最後には家庭や店舗に届ける人がいる。小学校だか中学校のときに工場見学をしたときにも、同じようなことを習った気がする。「社会というのはいろんな人が関わりあって成り立っているんだよ。」と。それを派遣バイトをしたことによって自分の目で確かめることができた。

 

 

だいたい大まかに僕が派遣バイトから学んだこと・知ったことをまとめてみた。僕はかなりビビりで怒られることを極度に恐れてしまうので、なかなかアルバイトを始められずにいた。でも少し勇気を出して始めたこのバイトで、たくさんのことを学んだ。たしかに社会の表舞台というよりは裏でこの世の中を支える影の薄い場所かもしれない。でも、物が家庭に届けられるには絶対必要な工程なんだと実感している。地味で単調でつまらない作業の繰り返しかもしれないけど、社会を支える大事な仕事のひとつだと思う。