ものごとを前に進めるためには、建設的に考えるためには、とりあえずすべてを肯定することから始まるんだと思う。
僕はこの3年ほど、なにかあるごとにすぐ自己否定し、自己嫌悪してきた。
理想の自分と現実の自分とのギャップに苦しみ、「なんで俺はこんなに最低な人間なんだ」「どうしようもないクズじゃないか」「くそ、またこんなこと考えてる。ほんとクズだな」といった具合に、“一に自己否定、二に自己嫌悪”の毎日を送っていた。
だけど、どれだけ自分を否定しようと、どれだけ自分を嫌おうと、自分が人間的に成長することはあまりなかった。というか、むしろ気分は落ち込み、自尊心は消えうせ、すべてのやる気を失ってしまった。
成長どころか、廃れていく一方だった。過度の自己否定と自己嫌悪は何も生み出さない。むしろ、自分自身のすべてのエネルギーを否定と嫌悪に注ぎ込んでしまうため、どんどん悪いほうへ突き進んでしまう。
しかもタチが悪いことに、自己否定・自己嫌悪することは人間を思考停止に陥れるのだ。自己否定・自己嫌悪すると、その先の問題の解決へと進まない。終始、自分を責め、否定することだけで終わってしまう。
たとえば、明日提出のレポートがあるのにいつまで経ってもやろうとせずうだうだしている自分がいたとする。
こんな状況で、昔の僕だったら、
(ああ、レポートやらなきゃ・・・。でもめんどくせーな。でもやんなきゃ・・。)
(俺いつになったらレポートやるんだ?またスマホいじってるし。ほんとクズだなあ)
(だから俺はダメなんだよな・・・。こんなんだったら、社会に出て仕事もできないし、ダメ人間だって思われるんだろうなあ・・・。はぁ・・・。)
という思考回路になると思う。こうしていつまでたってもレポートに取り掛からない自分を責め、自己嫌悪したところで一向に事態は良くならない。ただただ自分を傷つけ、自尊心をすり減らしているだけ。
ここで大切なのは、“とりあえず現状を肯定してみる”ということだと思う。まずは現状を受け入れる、そこから「どうするか?」を考える。
さっきの例でいうと、
(うーん、レポートやるのめんどくせーな。やりたくねーな。でも明日までだしなー。)
ここまではさっきと一緒。ここから考え方を変える。現状を肯定する。
(おー、俺いまレポートやるのめんどくさがってるな。なるほどなるほど。俺はレポートやるのがめんどくさいわけだ。)
自分が今、「レポートやるのがめんどくさい」と思っている現状をまずは受け入れる。肯定する。
(じゃ、どうするか?)
ここが大事。まずは現状を受け入れたうえで、「で、どうする?」と考える。いったん現状を把握してから対策を考えるという、よくよく考えれば当たり前のことをするだけだ。
(めんどくせーけど、明日までだからな。どっちにしろやらなきゃいかんわけだ。俺のことだから集中力は続かないだろう。じゃ、20分ごとに休憩しながらゆっくりやってこう。)
これで一応、問題の解決策を出したことになる。ここでどんな解決策を出すかは人しだいだし、同じ人でもその時々によって変わってくると思う。
なにか問題にあたったとき、自分を責めたり、否定したりしても何も始まらない。とりあえず現状を肯定する、そして「じゃ、どうするか?」と考える。自分自身と対話しながら、今の自分に最適な解決策を見つけていく。これがとても大切だと思う。
僕もまだこの思考法には慣れてない。いまだに自己否定・自己嫌悪してしまうときもある。だけど、自己否定・自己嫌悪するそんな自分さえも“とりあえず肯定してみる”と、事態は少しずつよくなっていくのかな、と思ったりする。