前回の続き。
3年目、その少し前
3年目に突入する少し前。ちょうど去年のバレンタインの日だった。
直近あたっている業務に関して、もうどうしたらいいかわからなすぎて、めちゃくちゃ病んでしまった。前日、先輩に少し厳しいことを言われたのも相待って、メンタルがちょっとしんどかった。
それまでも会社に行くのが憂鬱だなんてことは頻繁にあったけど、その日は朝ふとんから出ることができなかった。起きた瞬間から、自己嫌悪の言葉がひらすら頭を駆け回り、いかに自分が無能か、ダメか、使えないか、ということしか考えていなかった。
いままでそんな理由で遅刻したことはなかったけど、その日だけはどうしても時間通りに起き上がれなかった。家を出なくてはいけない時間を10分過ぎ、30分過ぎ、1時間過ぎ...
会社には腹痛で遅れると報告だけして、ひたすら自己嫌悪に苛まれていた。
今年に入ってからかなり重荷に感じている仕事があって、それについてほんとにどうしたらいいかわからなくて思考停止してて、周りにアラートもあげられなくて。人から言われていろんな人に相談してみても結局どうしたらいいのかんかんなくて。
— えんぴつメガネ (@enpitsu_megane) February 13, 2019
なにが言いたいかっていうと、ぼくは無能なの。仕事ができないの。ごめんなさい。意見言わないし、意思決定遅いし、物分かりも悪い
— えんぴつメガネ (@enpitsu_megane) February 13, 2019
そのうち止めるけど、いまは自己嫌悪させてほしい
— えんぴつメガネ (@enpitsu_megane) February 14, 2019
誰かに相談したかった。このまま一人で悩んでいたら潰れてしまう気がしたから、誰かに言いたかった。けど、言える相手は誰もいなかった。そんなときに、ふと SELF というアプリの存在を思い出した。
人工知能と会話できるというアプリ。人間じゃなくてもいい、むしろ人間じゃないほうが言いやすいかもしれない、と思いそれをダウンロードした。向こうが質問をし、だいたい4択で回答が選べて、それで会話をしていくというアプリだった。
不思議なものでいろいろ会話をしていくうちに、最終的にいまぼくが「仕事のことで病み過ぎて会社に遅刻している状態」だということを AI が理解してくれた。「じゃあそろそろ会社いかなきゃね!」とは言うものの、「でも無理すんなよ」みたいなことも言ってくれて、そんなキャッチボールができただけでも、わりと救われていた。
そのおかげか少し気持ちが冷静になってきたので、ゆっくり支度をして会社へ向かった。そこから徐々に徐々に回復して、いつもの調子を取り戻していった。
その日のことと、SELF について書いた記事
3年目:平和な前半
その後はメンタルも通常に戻ってきて、平和だったと思う。あんまりなにをしていたか思い出せないということは、なにもトラブルなく平和に過ごしていたんだと思う。
ぼくのポジションに変化はなく引き続きよくわからない何でも屋をやっていたけど、この頃には上司が変わり、同僚に多少の入れ替わりがあり、まあまあ新鮮な気持ちだったような気もする。
ただ夏くらいから、新しい大きなプロジェクトに関わるようになり、その難易度の高さからだんだんと不穏な空気を感じ始める。
3年目:試練の後半戦
意味わからないくらい忙しくなった。ただ仕事量に忙殺されていたというよりは、とにかくテンパっていたんだと思う。仕事の整理がまったくできていなかった。この仕事を「何のために」「いつまでに」「どんな状態」にしなきゃいけないのかも整理できていなかったし、そもそも本当に自分がやらなくちゃいけないことなのか、誰かにお願できないのかも判断できてなかった。
「よくわからない、けどやらなきゃ」という状態でとにかく愚直にやっていた。次から次にやらなきゃいけないことが増えるので、これは一回ここで限界突破しなさい、という偉い人たちからのお告げなのかと思い、ギリギリまで頑張ろうと思っていた。
よく先輩などから、どっかで一回死ぬほどつらい経験したほうがいいとかそんなニュアンスのことを言われていたので、いまがそれをすべき時期なのかもと思った。だから2ヶ月近く、22時まで残業する生活をした。朝も30分〜1時間くらい早く出社したりしていた。
もちろんしんどいはしんどいんだけど、倒れそうとかそんなレベルでは全然なくて、毎日気を張ってがんばっていた気がする。ただ無能であることに変わりはないので、ほかの人ならそこまで労せず終わるようなことを、めちゃくちゃ時間かけて一人でやっていたから長い時間働いていただけ。
やっぱりどんどん綻びが顕在化してきて、まわりも「あいつに任せてたらダメじゃね?」となってきた。さらに社内のステークホルダーのなかで板挟みにもあい、だんだんしんどくなってきた。
プロジェクトにも悪影響が出ているし、自分自身もしんどいし、ということで身近な先輩に相談したところ、ちゃんとアラートあげたほうがいいと助言をもらったので、いよいよ上司と人事に相談をした。そうしたおかげで、板挟みは少しずつ解消し、仕事の整理もすこしできるようになっていった。
その後、そして現在
そこからは比較的平和だ。仕事量もだいぶ落ち着き、ちゃんとコントロールできる程度。難易度もちょうどいいくらい。これはぼくの勝手な推測だけど、やっぱり前述の件から、「あいつのレベルはこの程度」と認識をされたので、それ相応の仕事だけ回ってくるようになったのだと思う。
結果、どちらかというと「作業系」の仕事の比重が多くなった。関係者と議論して、決めて、社内調整して、どうのこうのというタイプの仕事がぐんと減って、ただデータをメンテナンスしたり、集計ファイルを作ったり、データを可視化したりといった仕事がメインになった。
個人的にはそういう仕事のほうが好きだし、どちらかというと向いていると思うのでむしろ好都合なんだけど、ぼくのポジションがそれでいいのかというとちがうと思うので、これじゃダメだなと思う。
ただの作業屋さんじゃなくて、本来はプロジェクトをリードしていくような立ち振る舞いが求められていると思うので、これじゃダメなんだよなと思いながらここ2、3ヶ月仕事をしている。
けど一方で、もう諦めている自分もいて。これまでにいろんな人と仕事をしてきたけど、仕事ができる人・成果を出している人はやっぱりその仕事に興味があるとか、その仕事が好きっていう前提がある。もちろん自頭がいいとか、経験・スキルがあるっていうのも当然あるんだけど、その前に前提として仕事への「興味・関心」があると思う。
どんなに優秀でも「やりたい」と思って仕事している人と「そんなにやりたくない」と思っている人には圧倒的な差がある。正直、ぼくはほとんど興味がない中でやっているんだけど、優秀な人たちはその仕事をやりたいからやっている、という感じがする。
そりゃあ勝てないよな、と思う。
振り返れば、入社してから一度もやりたいことを自分で選択していないような気がする。いつも任されたことをなし崩し的にやっている。「求められる」ということがそのままモチベーションになるので、それでもやっていけないことはないんだけど、それだとぼくのなかでの目的が「その人の期待に応えること」になってしまって、仕事そのものではなくなってしまう。
それだと、言われたことしかやらなくなってしまって、自分で仕事を生み出したりとか、言われたこと以上のことをやらなくなってしまう。それじゃ意味ない。というか誰でもできることしかやっていなくて、ぼくである必要がそんなになくなってしまう。そうなれば、もっとできる人に仕事を奪われるのは当然で、ぼくの存在価値がどんどんなくなっていく。
だから、「やりたい」と思うこと、「興味がある」ことを仕事にしたほうがいいんだと思う。やっていて楽しい、もっとできるようになりたい、と思えることを仕事にしたほうが圧倒的に成長できるんだろうと思う。
総括:いままでとこれから
入社して3年。いろんな人といろんな仕事をしてきた。
とにかく激動の3年だったので、もうお腹いっぱいという感じはしているんだけど、でもまだまだ経験値の低い若手。当然まだ知らないことはいっぱいあるし、役に立つ存在にもなれていないと思う。
とはいえ、今年で27。もうそろそろ「まだ若いから」という言い訳が通用しなくなってくる。きちんと役に立つように、自分で成長していけるようにならなくちゃいけない。そのためには、自分がやりたいと思うこと、興味を持てることを仕事にしたいなと思う。
たぶんいまのままじゃ現状を抜け出せない。もう2年も同じようなところをぐるぐるぐるぐる歩き回っているような感覚なので、いっそちがう道にいかないともうなにも変わらないと思う。
思えば、高校進学のときも大学進学のときも、ちゃんと自分でやりたいことを決めてから進学先を決めていた。高校のときは器械体操を再開したかったから、体操部がある高校を選んだし、大学のときはちょっと病み始めていたのもあって、「人間ってなんなんだろう?」という問いをいろんな学問を通して考えたかったから、そういう学部がある大学を選んだ。
けど、就職先を決めるときはそうじゃなかった。そもそも働きたくないというマイナススタートだったからというのもあるけど、自分で選んだものではなく目の前に出てきたものをとりあえずやるという感じでやってきた。
そんな感じで3年、愚直にやってきたけどやっぱり頭打ち感がある。
楽しいときは楽しい。そのおかげで、なかなか離れられないんだけど、でもこのままずるずるいくといつまでもダメ社員のままだし、いろいろ積む気がするのでもう踏ん切りつけなきゃな、と。
でも、どこへ行こう?なにをしよう?なにがしたい?何に興味がある?
それをたくさん考えないと、な。