いま読んでいる本によると、人間の赤ちゃんというのは、本来より1年間ほど早く産まれてくるようです。ほかの哺乳類たちは妊娠期間が21ヶ月あるのにたいして、人間は9ヶ月。失われた12か月間があるんです。
人間がほかの哺乳類より1年間、はやく出産する理由。それは母体への負担を軽減するため。人間は身体のわりに脳が大きく発達している動物です。そして、直立二足歩行をしています。直立二足歩行を可能にしたことによって、骨盤がお椀型になりました。
それによって人間の女性の産道が狭くなってしまったのです。だから出産するときに女性の身体にすごく負担がかかります。そこで解決策として、人間はふつうより1年はやく、まだ赤ちゃんがちいさいうちに出産することで母体の負担を減らすことにしたらしいのです。
ほかの哺乳類の赤ちゃんは産まれてすぐ自分の足で立って、いろいろ動き回ったりしますよね。けど、人間の赤ちゃんが自分の足で立てるようになるのはだいたい1歳になってからです。それはほかの哺乳類より1年はやく産まれているからできた差だったんですね。
ふつうより1年はやく産まれてくる人間の赤ちゃんはとても非力で弱い存在です。その分、育児が大変になります。とても母親ひとりでは面倒見切れません。そこで父親の協力というのが重要なのです。だから人間は一夫一婦制になっているんです。つねに父親がそばにいてくれたほうが助かるからそういうシステムが生まれたらしいです。
余談ですが、赤ちゃんが産まれると、周囲の女性はやたらと父親に「この赤ちゃんは父親によく似ている」という話題を出すようです。
...研究では、新生児と母親、母親の両親がいるところに父親が入ってくると、目・鼻・額・あご・・・・がいかに父親似かという話題に急に切りかわるという。
(中略)
しかし正直なところ、どう見ても新生児に父親の面影などない。もちろん話すほうもそんなつもりはなくて、お父さんにこれからがんばってもらうための動機づけを提供しているのだ。
そういう話題をだすのも、父親に育児に協力してもらうためなんですね。
そんなわけで、少なくとも1年間は両親ともども赤ちゃんのそばにいてあげたほうがいいのです。育児休暇をとる男性がすごく少ないらしいですが、せめて1年は育児休暇をとるのが当たり前っていう風潮になるといいですね。
この記事の内容は以下の本から得た知識です。まだ読みかけですが、非常におもしろいです。
- 作者: ロビンダンバー,Robin Dunbar,藤井留美
- 出版社/メーカー: インターシフト
- 発売日: 2011/07
- メディア: 単行本
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