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『この世でいちばん大事な「カネ」の話』を読んでひとこと

漫画家・西原理恵子さんの『この世でいちばん大事な「カネ」の話』を読んだ。

 

「働くことが人を人たらしめるんだよ」と、働いて自分でお金を稼ぐことの大切さを説法してくれた本だった。その言葉の背景には、西原さんが経験してきた壮絶な人生がある。それだけに説得力があるというか、重みがあるというか。

 

ただこれを読んで、「そうか、じゃあ働こう!働かなきゃ!」と思えるほど僕の心は動かなかった。頭では理解したし、こういう人生を歩んで、こういう価値観を持った人がいるんだ、という知識を得たこと自体に意味があった。

 

それから、これまであまり「お金」について深く考えたことはなかったけど、いまいちどお金というものに向き合ってみようと思うきっかけになった。さっそくネットで調べて、『20代で知っておきたいお金のこと』という本を読むことにした。まだ手に入れていないのでいつ読むかは分からないけど。

 

西原さんは知識よりも、行動して感じたことを重視する人のようだ。ネットやニュースで見たことはあまり信じず、それよりも実際に自分で行って、見て、聞いて、感じる。それがすごく大切だ、と信じている人のようで。だからきみたちも自分の体にいろんな体験を刻み込みなさい、とメッセージを発している。

 

僕はまったく逆のタイプで、行動より知識を重視したり頼るタイプ。しかし最近では、いまよりすこし行動を大切にしようと思って生きている。でもやっぱり行動することはこわい。だから西原さんのメッセージを素直に聞くことはできなかった。「そうは言うけど、こわいんだよ..!」と反発したくなってしまった。

 

高知県で育った西原さんはそこでおそろしく貧乏な生活をして、いつも「最下位」だったという。勉強もスポーツもなにもかも最下位。そこから上京して、絵を描いて稼ぐことを目標にしたときに、まともにやっても勝てないことはわかっていたから、「最下位の人間には最下位の戦い方がある!」と言って、最下位なりの戦略を立てて、漫画家としての成功をおさめたそう。

 

この「最下位の人間には最下位の戦い方がある」という言葉はすごくかっこいいな、と思った。僕はいまニートで、社会不適合者として生きている。社会におびえて、自分からレールを外れた。僕にはハードルが高すぎると感じた。だから僕は僕で、自分にあったハードルを設定して生きていかないといけないんだ、と。

 

みんなとおなじようにやろうとしても、できないことがたくさんある。けど僕にもできることはある。それをわかったうえで、自分なりの人生戦略を立てて生きていかないといけないんだ、と思った。そしてむしろそのほうが早いんじゃないかと思う。変に社会のレールに合わせようとするよりは。

 

そんな風に思わせてくれた一冊でした。

 

おすすめ度 ★★★★☆

 

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)

 

 

20代で知っておきたいお金のこと

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