大学の授業の関係で、図書館で「はじめての認知療法」(大野 裕 著)という本を借りた。
認知療法とは、おもにうつ病の治療法として利用される療法だ。人は現実に起きたできごとを自分なりの解釈で認知する。うつ病患者は、何事も悲観的に考えてしまうため、現実のできごとを必要以上に悲観的に解釈してしまい、現実とのズレが生じてしまう。そのズレをなるべく修正してやろうというのが認知療法の考え方。
で、この療法はいろんな精神疾患や精神障害に利用されるそうなのだが、もともとはうつ病の治療法として提唱されたもの。この本も基本的にうつ病の人のために書かれている。
まだ全然読み進んでいないが、最初の方にうつ病という病気についてこんな説明があった。
うつ病の人は「自分はダメな人間だ」と自分を責め、「みんなから嫌われている」と決め付け、「これから先はつらいことばかりだ」と悲観的に考えるようになっています。
あれ?僕のことじゃないか、これ?「自分はダメな人間」だと思っているし、「みんなから嫌われている」という被害妄想もある。「これから先つらいことばかりだ」という絶望からは1年ほど前に抜け出したから、この部分には当てはまらないけど。
今まで僕はいろんな精神障害や精神疾患を疑ってきたけど、なぜか「うつ病」だけはスルーしていた。うつ病というほどひどく気分が落ち込んだりはしなかったし、気分の問題ではなく本当に僕という人間に問題があると思っていたからだ。
でも、上記の引用部分を読んで、はじめて「僕ってうつ病なのか?」と疑った。たしかに極度に自分に自信がないし、自分を責めてばかりいる。人前ではいつも無表情で、感情が死んだようになっている。
もし仮に僕がうつ病なのだとしたら、僕が自分をダメ人間だといって責めるのはうつ病の症状なのであり、実際には僕はダメ人間ではないということになる。
こう考えると、少し希望が湧く。自分をダメ人間だと思っていたのはうつ病の症状で、実際には違うのだと分かれば、少し安心する。
が、うつ病だと分かって安心するというのもなんだか不謹慎な話だ。実際に深刻なうつ病で苦労している人もたくさんいるだろうし、その人たちからしたら「なにうつ病だと分かって安心してんだ」とイラっとくるだろう。
結局、実際のところは病院に行って診断してもらわないと分からない。うつ病も今まで疑ってきた精神障害・疾患のひとつに過ぎず、あくまで「うつ傾向にある」程度なのだと思う。
日常生活が困難になるほど苦しんではいないが、生きづらさは感じている。障害・疾患というレベルではないが、グレーゾーンではある。この中途半端な状態にいることこそが、もっとも生きづらい。