生きづらさを抱えている人間として、ここにさんざん悩みを書き散らしてきた。家庭環境がすこし特殊だったり、毒親っぽい両親に育てられたりして、多くの人が抱かないような苦しみを抱えながら生きているのだ、と語ってきた。
けど、きっと僕はけっこう普通の人間なのだ。自分が思っている以上に、僕は普通なのだ。僕が感じている悩みは、誰もが一度は抱えるようなものなのだ。なにも僕だけが感じている特別な悩みを持っているわけでもないのだ。
そもそも人間の悩みなんて大昔も今もたいして変わらないのだ。みんな同じような悩みを抱えて生きてきた。その証拠に、『嫌われる勇気』という本がベストセラーになったりしている。あの本を読んだとき、「これはまさに僕自身のことが書かれているんじゃないか」というほど、自分と本に登場する青年を重ねて読んでいた。しかし、あの本を多くの人が読み、多くの人が評価したということは、同じような悩みを持つ人はごまんといるということなのだ。
僕が抱える悩みはそこまで特別なものではなく、わりと普遍的なものなんだろう。僕がほかの人とちがうのは、抱えている問題を解決するだけの能力なんだ。悩みをはね返すだけの力が乏しいのだ。そこがみんなとちがうところなんだろう。